「108でした」

レッスン最終回。ラウンドの結果を林コーチに報告した。

「前は115くらいだったんですよね。7打縮まりましたね」

「でも、まだ100は切れなくて……」

「それでいいんです。今回のラウンドで何が変わって、何がまだ変わっていないか——そこを確認しましょう」


実際のゴルフコースでのラウンド

■ ラウンドで変わっていたこと

林コーチがスコアカードを確認しながら、一ホールずつ振り返ってくれた。

「ダブルボギー以上は何ホールありましたか」

「6ホールです」

「以前と比べて?」

「……以前は10ホール以上あったと思います」

「そうですね。大叩きが減っている。これはアドレスとグリップが安定してきたからです。ミスが致命的なミスになりにくくなった」

確かに、「取り返しのつかないホール」が減っていた。OBも2発から1発に。ダブルパーは0ホール。

「つまり、ミスの質が上がっている。ゴルフが上達するというのは、打てる確率が上がることでもあるけれど、ミスが小さくなることでもあります」


■ まだ変わっていないこと

「逆に、まだ変わっていないことを教えてください。コースでどんなミスが多かったですか」

「アプローチが、全然ダメでした。グリーン周りから3打、4打かかるホールが何回もあって」

「何打叩いてもドライバーでOBになるほどのダメージにはならないですよね。でもアプローチのミスは直接スコアに響く」

「……全然気にしてなかったです、アプローチ」

「多くの方がそうです。ドライバーとアイアンの練習をたくさんするけど、アプローチとパットは後回し。でも実際にはグリーン周りと1パット・2パットの差が、スコアの差のほとんどを生み出しています」

5回のレッスンを通じて、ドライバーとアイアンの精度は上がった。でも、スコアアップの「次の壁」はアプローチだということが明確になった。


パッティンググリーンでのアプローチ練習

■ 「継続計画」を一緒に作る

「今後どうしていきたいですか」

「100を切りたいです。できれば90台も……」

「100切りは、今の状態から十分現実的です。必要なことを整理しましょう」

林コーチがレポートを作ってくれた。

今の強み:

  • ドライバーのフェースアングルが安定(+1〜+2度の範囲)
  • クラブパスが-1〜0度でニュートラルに近づいている
  • ルーティンが定着しつつある

改善ポイント:

  • アプローチの距離感と方向性(最優先)
  • バンカーショット(経験値不足)
  • パットのスピードコントロール

「アプローチを月に4回練習するとして、3ヶ月集中すると100切りが見えてくると思います。スタジオのシミュレーターでアプローチ練習もできるので、活用してみてください」


■ 5回のレッスンで変わった「見え方」

数字以外で変わったことを、最後に林コーチに話した。

「なんか、コースで打つ前に『なぜここでこのクラブを選ぶか』を考えるようになりました。今まで『いつも5番アイアンで打ってたから』みたいな感じで選んでたんですけど」

「それ、大事な変化です」

「あとは、ミスしても『なんで出たか』が少しわかるようになってきた。以前は『またスライスした……』で終わっていたのが、今は『グリップが緩んだから』まで考えられるようになった」

「それが最大の変化だと思います。ミスを説明できるようになると、次のラウンドに活かせる。感覚じゃなくて、理解でゴルフをするようになってきた」


ゴルフボールとフェアウェイ

■ おわりに

5回のレッスンを終えて、ゴルフに対する考え方が変わった。

「うまく打てるかどうか」から「なぜうまく打てないのか」へ。「感覚でなんとかする」から「原因を特定して直す」へ。

スコアは108。まだ100すら切っていない。でも「上達しているという感覚」は、今まで3年間で一度も感じたことがなかったものだった。

林コーチの最後の言葉が印象に残っている。

「ゴルフが上手くなる人って、必ず『ゴルフを好きになった瞬間』があります。うまくなるから好きになるんじゃなくて、好きになるからうまくなる。今のあなた、少し好きになりかけてますよね」

——正直に言うと、そうかもしれない。

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(連載 第5話 / 全5話 — 完)