「また右に曲がった……」
ゴルフを始めて3年。週1でレンジに通い、ラウンドも月1回はしている。それなのにスコアは常に110〜115。スライスだけは、どんな練習をしても一向に改善しない。
友人に「RICOS行ってみたら?」と勧められたのが半年前のことだった。正直、最初は「また同じことを言われるだけでしょ」と思っていた。
■ 受付で感じた、いつものゴルフスクールとの違い
芦屋のRICOS SWING DESIGN COMPANYに初めて足を踏み入れたのは、平日の夕方だった。

スタジオはコンパクトで清潔感があり、打席の前には大型モニターが設置されていた。奥には数台の弾道測定器(TrackMan)が見える。
「今日担当させていただく林です。よろしくお願いします」
にこやかに現れたのが、林 周平コーチだった。PGAツアープロという資格を持ちながら、話し方は柔らかく、圧迫感がない。
「まず今日は、今の状態を確認させてください。最初に少し打っていただいていいですか?」
普通のゴルフスクールだと、最初からフォームをあれこれ直される印象がある。でもここは違った。まずは「今の私を見てもらう」ところから始まった。
■ 7球打ったら、答えが出た
5番アイアンで7球ほど打った。案の定、全部スライス。弾道測定器の数字が画面に表示される。
「はい、わかりました。データ見ていいですか」
林コーチが画面を指差しながら説明してくれた。
「フェースアングルが+7度ですね。フェースが開いたままインパクトしています。それとクラブパスが-3度。アウトサイドインになっている。この二つが重なってスライスが出ているんです」
「……え、それだけですか?」
「はい。あとはグリップが少し弱すぎることと、アドレスで肩が少し開いていること。この4点が今日確認できた課題です」
7球打って、原因が4つ特定された。3年間、感覚で「直そうとしていた」自分は、一体何をしていたんだろう。

■ 「直してあげる」ではなく「自分で気づかせてくれる」
林コーチのレッスンで一番驚いたのは、すぐに「こう打ちなさい」と言わないことだった。
「ちょっとこの映像見てみてください。あなたのスイングと、フェースが閉じている状態のスイング、並べて見てみましょう」
動画を並べて見せてくれる。自分のスイングを「外から」見るのは初めての経験だった。言われてみれば確かに、インパクト直前でフェースが開いている。
「……あ、これは確かにダメですね」
「そうです。で、グリップを少し強く握ってみてください。中指・薬指を意識して」
打ってみると、スライス幅が明らかに減った。数字にも出た。フェースアングルが+7度から+2度に改善されていた。
「感覚どうですか?」
「なんか……つかまった感じがします」
「そうです、それが正解です。今日はその感覚を覚えて帰ってください」
■ 体験レッスン45分で変わったこと
この日の体験レッスンで特定された課題は4つ。
- フェースが開いたままインパクト(フェースアングル+7度 → +2度に改善)
- アウトサイドインのクラブパス(次回以降で修正予定)
- グリップが弱すぎる(グリップ調整で即改善)
- アドレスで肩が開いている(要修正)
「今日は一番わかりやすかったグリップだけ直しました。残り3つは次回以降に。一気に変えると体が混乱しますから」
たった一つを直しただけで、スライス幅は明確に減った。そして「なぜスライスが出るのか」が初めて、数字で理解できた。
感覚ではなく、データで。「だいたいこうだ」ではなく、「具体的にこれが原因だ」と。
3年間のモヤモヤが、45分で少し晴れた気がした。

次回のレッスンでは、クラブパスとアドレスの修正に入る予定だ。林コーチから課題を出してもらったので、レンジで試してみようと思う。
(連載 第1話 / 全5話)