ゴルフの歴史において、ボビー・ジョーンズとアリスター・マッケンジーという二つの名前が組み合わさったとき、偉大な何かが生まれた。オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブがその筆頭だが、その前年に完成したパサティエンポも、同じ二人による傑作だ。カリフォルニア州サンタクルーズの丘陵に広がるこのコースは、マスターズ開催地ほどの知名度こそないが、ゴルフコース設計の歴史においては等しく重要な意味を持っている。

スペイン語で「時間の過ごし方」

パサティエンポという名前はスペイン語で「気晴らし」あるいは「時間の楽しみ方」を意味する。カリフォルニアにスペイン語地名が多い理由は植民地時代の名残だが、このコース名には設立者マリオン・フォークナー・ホルデンの遊び心が込められているとも言われる。ホルデンはサンタクルーズの丘陵地帯に高級住宅地とゴルフコースを組み合わせたリゾート開発を構想し、コース設計に当時最高峰の人材を迎えた。

1929年の開場は、世界恐慌が始まる直前だった。その年の秋に株式市場が崩壊し、多くの開発計画が頓挫したが、パサティエンポはかろうじて生き残り、以来90年以上にわたって同じ土地でゴルファーを迎え続けている。その生命力の源は、設計の質の高さにあると言っていい。

マッケンジーが晩年を過ごした地

アリスター・マッケンジーにとってパサティエンポは特別な場所だった。スコットランド生まれの医師でありコース設計家であった彼は、1926年にアメリカへ移住した後、西海岸を拠点に活動した。パサティエンポの設計を手がけた後、彼はコース敷地内の住宅に居を構え、文字通りこのコースのそばで余生を過ごした。

1934年にマッケンジーはパサティエンポで息を引き取った。彼の晩年の作品となったのがオーガスタ・ナショナルとパサティエンポだ。サイプレス・ポイント、ロイヤル・メルボルン、そしてこれら二つのコース——マッケンジーが世界に残した遺産は、ゴルフコース設計の教科書として今も参照され続けている。

彼がパサティエンポのそばに住み続けたことは、単なる便宜上の選択ではなかっただろう。このコースへの愛着と、自分の設計哲学が完全に体現された土地への愛着が、彼をここに留めたのではないか——そう想像せずにはいられない。

ボビー・ジョーンズが愛し続けたコース

ボビー・ジョーンズは1930年に史上初のグランドスラム(全英・全米アマチュアおよびオープン四冠)を達成し、その直後に競技ゴルフから引退した。わずか28歳でのことだ。引退後のジョーンズはゴルフの普及と教育に力を注ぎ、オーガスタ・ナショナルの設立とマスターズの創設に尽力した。

そのジョーンズが生涯を通じて「世界で最も好きなコースのトップ5」に挙げ続けたのがパサティエンポだ。オーガスタ・ナショナルの設計に関与した人間が、別のコースを最高の一つとして挙げる——その逆説が、パサティエンポの特別さを物語っている。

ジョーンズがパサティエンポをオーガスタより上に評価したかどうかは定かではないが、両者を愛した事実は、マッケンジーの設計哲学が一つのコースでは収まりきらない豊かさを持っていたことを示している。パサティエンポとオーガスタ・ナショナルは設計者を共有しながら、まったく異なる個性を持つ——その多様性がマッケンジーの偉大さの証だ。

コースの特徴と設計の妙

パサティエンポはカリフォルニアの内陸丘陵に位置し、リンクスとは異なる地形でマッケンジーの設計哲学を体現している。起伏のある地形を巧みに使い、各ホールに異なる挑戦を持たせることで、18ホールを通じて飽きることのないラウンドを実現している。

特に評価が高いのが16番ホール(パー3)だ。深いキャニオン(渓谷)を越えてグリーンを狙うこのホールは、パサティエンポの代名詞的存在として知られる。グリーンは受けの傾斜があり、手前に外せばアプローチが難しくなり、奥に行けばキャニオンの反対側へ落ちる危険がある。ピンポジションによっては非常に難しいホールになり、選手の技術と判断力を同時に試す。

フェアウェイのアンジュレーションとグリーンの起伏は、プレーヤーに常に思考を求める。ただ力強いショットを打つだけでは通用せず、どこにボールを置けば次のショットが易しくなるかを考え続けることが求められる。「戦略性の高いコース」という評価がパサティエンポに定着しているのはこのためだ。

歴史的コースを現代に

パサティエンポは現在もパブリックコースとして外来プレーヤーを受け入れており、予約によって誰でもプレーが可能だ。サンタクルーズはサンフランシスコから車で約1時間半、シリコンバレーからは更に近く、週末のラウンドにも適したアクセスを持つ。

コースはほぼオリジナルの状態が保たれており、マッケンジーが設計した当時のレイアウトを大きく変えずに維持している。一部のバンカーは時代とともに変化しているが、基本的な設計哲学はそのままだ。マッケンジーが好んだ「どこからでも複数の攻め方がある」という設計は、90年以上経った今もプレーヤーに発見と驚きを与え続けている。

歴史的なコースをラウンドするとき、そこには単なるゴルフ以上の何かがある。マッケンジーが測量し、ジョーンズが歩き、幾世代ものゴルファーが同じルートを辿ったフェアウェイに立つこと——パサティエンポはそういう体験を提供してくれる場所だ。