バンカーショットを「怖い」と感じているアマチュアゴルファーは多い。その理由のほとんどは単純だ——「ほとんど練習したことがないから」だ。
ドライバーやアイアンと同様に、バンカーショットも反復練習で確実に習得できる技術だ。むしろバンカーはゴルフの障害物の中で「ルールが最も明快」な場所で、正しい打ち方を覚えてしまえば、ラフやつま先上がりの傾斜地よりずっと対処しやすい。
バンカー練習場の正しい使い方
多くのゴルファーはバンカー練習場に入っても「なんとなく打つ」だけで終わる。それではいくら時間を使っても上達しない。バンカー練習には明確な目標と段階的なステップが必要だ。
練習の前に「砂の確認」から始める
バンカーに入ったらまず砂を足で踏んで質感を確かめる(ただし競技では足場を固めることは禁止のため、練習時限定)。砂が硬いか柔らかいか、湿っているか乾いているかによって、同じスウィングでも結果が変わる。
砂の厚さを理解することが第一歩だ。砂が厚いコースでは深く入りすぎず、薄いコースでは少し手前から入れる。この感覚はバンカーで実際に球を打つ以外に習得する方法はない。できる限りバンカー練習場を積極的に使い、「砂と仲良くなる」ことが上達の土台になる。
フェースオープンで構える感覚を体に入れる
バンカーショットの最大のポイントはフェースをオープン(開いた状態)に構えることだ。多くのアマチュアが「フェースを開いたら右に飛ぶ」と恐れるが、バンカーショットの理屈を知ればその恐怖は消える。
フェースを開く理由
バンカーショットはボールを直接打つのではなく、ボールの手前の砂を打ち、砂ごとボールをグリーンに運ぶショットだ。フェースを開くことでクラブのバウンス(底面の丸み)が砂に有効に機能し、ヘッドが砂に刺さらずに滑り抜けていく。フェースが閉じているとヘッドが砂に刺さって止まってしまう。
「時計の10時から2時」ドリル
フェースを開く感覚を掴むために、まず素振りから始める。グリップする前にフェースを開き、その状態でグリップし直す。スクエアに構えたときよりも明らかに空が見えるくらいフェースが上を向いているのが正解だ。
練習場では最初の10球を「ボールを打たずに砂だけ打つ」素振りとして使う。砂が飛んだ先を目で追い、どのくらい砂が動いているかを確認する。砂が少量しか飛ばない場合はフェースが開けていない証拠だ。
砂を打つ目標設定——「コイン」を目印にする
バンカーショットの習得に特効薬的な練習方法がある。ボールの手前3〜5センチのところにコイン(または目印になる木の葉など)を置き、そのコインを飛ばすことを目標にして打つ方法だ。
コインドリルの手順
- フェースを十分に開いてアドレスを取る
- スタンスはオープン(左足を引いた状態)に構える
- コインを目標にしてスウィングを振り切る
- コインと砂がグリーン方向に飛んだか確認する
コインが飛んだということは、正しくボールの手前から砂を取れているということだ。10球連続でコインを飛ばせるようになれば、グリーンサイドバンカーからの脱出はほぼ確実になる。
目標を「ボールを打つ」から「コインを飛ばす」に変えるだけで、多くのゴルファーがバンカーショットの感覚を掴む。これは脳の集中ポイントを変えることで、自然と正しいアクションが引き出されるからだ。
グリーンサイドとフェアウェイバンカーの違いを理解する
バンカーは大きく2種類に分かれる。グリーンサイドバンカーとフェアウェイバンカーだ。同じ「砂の中」でも攻略方法はまったく異なる。
グリーンサイドバンカーの考え方
距離が短く(多くの場合20〜40メートル以内)、砂ごとボールを運ぶ「爆発ショット」が基本だ。フェースを大きく開き、ボールの手前から砂を取る。飛距離はスウィングの大きさではなく、ボールの手前をどれだけ取るかで変わる。手前5センチの砂を取れば近くに、2センチなら遠くに飛ぶ。
フェアウェイバンカーの考え方
距離が長く(残り100〜200メートルが多い)、砂ではなくボールをクリーンに打つことが求められる。フェースはスクエアのまま。スタンスを砂に少し沈めて安定させ、ボールの赤道部分を正確にヒットする。グリーンサイドバンカーとは逆に「砂を打たない」ことが鉄則だ。
練習で両方を経験する
バンカー練習場では必ず両方の状況を想定した練習を行う。「脱出だけを考えるグリーンサイド練習」と「番手を落としてクリーンに打つフェアウェイ練習」を意識的に使い分けることで、コースに出たときに状況判断が速くなる。
練習の積み重ねがバンカーを「安全地帯」に変える
バンカーを恐れている間は、アマチュアの呪縛から抜け出せない。バンカー練習場で週1回・30分を3ヶ月継続すれば、ほとんどのゴルファーが「バンカーよりもラフの方が難しい」と感じ始める。それは過言ではなく、バンカーショットには「砂を打つ」という明快なルールがあるからだ。
砂を友達にする練習を続けよう。
バンカーショットは打ち方の「型」を身につければ、その後の上達が劇的に早まる。RICOSでは実際のバンカー環境を想定した映像解析つきレッスンで、フェースの向きや入射角を数値で確認しながら指導を行っている。「何度打っても出られない」という状況を、データとコーチングで根本から解決しよう。